囚われの華

「なぜ、帰ってきてるなら連絡くれないの…？

あなたと私の仲なのに。突然留学してどれだけ私が驚いたと思う？

何も言われずに去られて辛かったのよ？」

目の前では、蓮と抱き合ってた女性が切々と訴えていた。

「はっ！？なんで俺がお前にいちいち言わなければならないんだ？

付き合ってるわけでもないのに。

俺がどこに行こうが勝手だろう。」

女性の言葉に一刀両断残酷に告げる蓮に遥も、言われた女性も驚く。

「えっ！？だって……」

女性としては付き合ってるつもりだったのだろう。

「えっ！？だって、体の関係があるからってか？

やめてくれないか。体の関係があるからって付き合ってるとか思われても迷惑だ。

お前がどうしてもというから2,3度付き合っただけで俺としてはお前と付きあってるつもりはない。

2,3度のことで彼女面されてもこちらも迷惑だ。

俺だって健全な男だからな、溜まることもある。

その時に会っただけだろう？

それでもいいと言ったのはお前だ。」

ひどい、ひどすぎるよ、蓮君。

遥の見たことのない蓮が目の前にいた。

目の前の女性が泣きそうになりながらそれでも何か言ってる。

「そうよ、確かにそういったわ。

体の関係でもいいからあなたのそばにいたかった。

あなたにとって1番の女性でいたかった。

だからあなたが呼びだしたとき喜んで会いにいったわ。

たとえ、体の関係であってもあなたのそばに入れたら嬉しかったもの。

そばにいたらいつかあなたが私を愛してくれるかもって希望を持って…

でも、あなたは私を便利な欲望を満たす体くらいにしか思ってなかったのね。

本当にひどい男だわ。

そして、私を捨てるのね。

婚約者のために…」

「お前…どこでそれを…？」

驚いて聞いてくる蓮に女性はフッと笑みを漏らす。