ドキドキと心臓が脈打つ。 しかし反対に、春人を見ると胸が苦しくなった。 「………」 『………』 昨日の今日だ。気まずい沈黙が流れ、目が見れなかった。 『あ、じゃあ……』 雰囲気に堪えきれず、春人に小さく会釈して、その場を離れようとしたら。 「あ、ちょっと待って」 階段を降りようと足を踏み出したわたしの腕を、掴まれた。