一気に階段を駆け降りる。食堂の近くの階段は、食堂に向かう人で混雑していた。 階段の踊り場を抜け、最後の階段を降りようとしたとき、誤って足を踏み外してしまった。 『あっ』 ……落ちる!! 階段から滑り落ちそうになり、血の気がさぁっと引いた瞬間。 「おぉっ…!と」 『!?』 寸でのところで誰かに後ろから支えられた。 わたしのお腹に、腕がまわっている。 『……っ!?』 「大丈夫?」 聞き覚えのある声に、まさかと思い振り向いたら。 やはり春人だった。 『……。ありがと……』 「あぁ、うん」