なんて考えていると。
有紗が突然わたしの顔を覗き込んで、言った。
「なに、もしかして気になるん?」
『えっ?いや、』
勘違いされてしまったようなので否定しようとしたが、何だか楽しそうな表情の有紗の言葉に遮られた。
「そっか!桐生くんイケメンやもんな。
春人と桐生くん、学年でツートップって言われてるんよ」
『え、そうなの?』
有紗が得意気に言う。
確かに、二人ともイケメンだ。しかし、そんな人か同じクラスに二人もいるということに単純に驚いた。
「二人とも、入学した頃からめっちゃ人気あって。
……春人は、あたしと付き合いだしてからは、告られることも減ったんやけど。でも、今でもたまにおる」
少し、嫉妬しているような口調で言う有紗。
何となく罪悪感を感じた。
「人の恋をとやかく言う権利はあたしにはないねんけど。……まぁ、春人は渡さんけどな」
冗談っぽく笑って見せる有紗。それに合わせて、わたしも笑っておいた。
少し、胸がチクリとした。

