富崎春人(とみさきはると)。


私の、初恋の相手だ。




春人は私が昔ここに住んでいた頃に近所に住んでいた男の子で、幼稚園に入る前からよく一緒に遊んでいた。


そして、幼稚園も小学校も一緒だった。




まぁ実際、幼稚園に入る前の記憶なんてほとんど残っていないのだが、
幼稚園や小学校の時の仲良くしていた記憶は今も明瞭な思い出として残っている。




小学二年までしか一緒に居られなかったけれど、私は春人に恋をしていた。




そう。


私はこの街に、今も忘れられない、初恋の幼馴染みを探しに来た――と、いうわけだ。






今の新しい家は昔住んでいた家に近い。


その家から一番近く、それに有名で人気のあるこの学校に来ればもしかしたら春人に会えるかもしれない。


たとえこの学校に居なくても、街でばったり会えたりするかも知れない。



浅はかな考えだということは、分かっているけれど。




やっぱり、もう一度会いたい。



春人に。