“もう大丈夫だから、明日は行くよ!
わたし実は、昔ちょっとだけこの辺に住んでたんだ。
その時に富崎君が近所に住んでて。
今日久しぶりに再会したんだけど、あっちはすっかり忘れてたみたい(笑)”
本当は7年くらいここにいたけれど、敢えて“ちょっとだけ”と打った。
『送信』
これなら、忘れられていたことなんてあまり気にしていないように読み取れるだろう。
「今日奈々が可笑しかったのは、微熱で頭が混乱してたからだ」と。
これで大丈夫だろう、と思いつつも、有紗は鋭そうだし、何か変に思われていたらどうしよう。
なんて不安に駆られていると。
数分して、“そっか。お大事に”という返事が来て、ほっと安堵した。

