身長も、声も、髪の色も、あの頃と変わっているけれど。 それでも、わかる。 あの男の子は確かに――私の初恋の幼なじみ、春人だ。 喜びと興奮、少しの緊張で、心臓が激しく脈を打つ。 春人は、そのまま廊下側の空席に向かった。 ……あぁ。あそこの空席は、春人の席だったんだ。 一人納得しながら、自分の席に着く春人をじっと見つめる。 「久しぶり、春人」 「よっ。もう熱下がったんか?」 春人の周りの席の人たちが春人に話しかけている。 私はもう眠気など微塵も感じず、授業など全く頭に入らなかった。