君と恋色*tear rain



ふわふわ、ゆらゆら。



暖かい空気を肌で感じながら、気持ち良く居眠りをしていると。




突然、ガラッと教室の扉の開く音がして、はっと目を覚ました。




ぼうっとした頭で、扉の方に視線を向ける。


と。




教室に入ってきた人物を一目見た瞬間。



半分眠っていた私の頭は、一気に覚醒した。





そこにいたのは、綺麗な男の子。



スラッと伸びた長い手足に、綺麗な白い肌。



すっと鼻筋が通っていて、髪は今流行りの、サラサラみるくてぃー色。



柔らかい雰囲気を持った、その男の子。




彼はゆっくりした足取りで教卓に近付き、そこに立つ先生に遅刻届を渡した。




「おお、富崎。もぉ風邪は大丈夫なんか?」


「はい」




……やっぱり。



間違いない。この、男の子は……



春人だ!