ベッドにダイブした時にベストのポケットから飛んで行ってしまったのだろう。



私は慌ててベッドの周りを探す。




「!あった」




ベッドと壁の隙間に落ちていたクマのキーホルダー。手を隙間に差し込んで掴み上げた。




そのキーホルダーは昔、唯一春人が私にくれた物だった。



今でもその時の事を鮮明に覚えている。



私は部屋着に着替えながら、あの頃に思いを馳せる。





小学一年生の夏休み、春人と喧嘩をした時の事。


誤って春人が私に怪我をさせてしまい、私は泣いていた。



喧嘩した理由はもう、忘れてしまったけれど。