「‥どうしたの?」 おそるおそる聞いてみる。 「やべ、俺、財布忘れた‥」 もー! 肝心なとこで カッコ悪いんだから‥! 「もー、しょーがないなー」 あたしは自分の財布を取り出し 翔の分まで払った。 「ごめん、彩。」 そう言って、翔は 舌をぺろっと出して 苦笑した。 それが不覚にも 可愛いと思ってしまったので 許すことにした。