シンアイ

安息の地だった昼休みもそろそろ終わりが近付いてきた。
特進クラスのひーちゃんは次の授業の準備で先に戻ってしまった。残った私と千里も片付けて戻る準備を始める。

「千里は次体育だったよね?時間大丈夫?」

「大丈夫、大丈夫。着替えなんてあっという間だし」

教室へ戻りながら次の授業の話をする。

「今日はサッカーって言ってたな」

「サッカー!?大変!千里がモテちゃう!」

千里は小学生の頃からサッカーをやっていて、今では1年生でレギュラーになれるくらい上手くなっちゃったんだよね。もともと顔は悪くないし、運動もできるから実はモテる千里さん。私やひーちゃんと一緒にいることが多いからどっちかと付き合ってるって勘違いして皆遠慮しちゃうみたい。

「おい、ちょっと待て!モテちゃうってなんだよ!俺はモテたいんだよ!」

肝心の千里本人はそんなことに全く気付いてなくてモテないって嘆いてるけど。
面白いから教えてあげない。

「あ!次の授業のプリント取りに行かないと!」

千里のモテたい発言はいつものことなので無視する。

「職員室なら俺も」

「梶ー!まだこんなとこにいたのかよ!」

「早くグラウンド行くぞ」

千里が何か言いかけたとき、クラスメイトが現れて捕獲されてしまった。

「ちょっ!お前ら!俺はまだ」

「この前の勝負の続きだ!」

「勝ち逃げなんてさせねーからな」

反論の隙を与えずガッチリとホールドされて連れ去られてしまった。

私は笑顔でそれを見送った。