シンアイ

「誰にも靡かない御園蘇芳がついに彼女を作ったー、とか何とか。とりあえずあの女誰!?って言うのが多いかな。良い印象は持たれてないから気を付けて」

「……」

衝撃で言葉が出ない。
なんで皆そう解釈しちゃうの!?

「私は御園蘇芳の彼女じゃない!!」

バンッと思わずテーブルを叩いてしまった。
隣に座る千里にどうどうと宥められる。

「でも抱き合ってたって聞いたよ?」

「抱き合ってない!抱き付かれたの!」

何てことだ。朝の一件がそんな風に広まっているなんて!

「大丈夫よ、サヤ。何があっても私たちはサヤの味方だから」

そう言いながらひーちゃんに頭を撫でられる。

「ひよこの言う通りだ。いざとなったら俺がサヤの彼氏だって宣言して守るからな」

千里の申し出はありがたいけど、それは極力遠慮したい。そんなことしたら千里まで巻き込んでしまう。それに、ひーちゃんに申し訳ない。
いまだに頭を撫で続けるひーちゃんに視線を向ける。それに気付いたひーちゃんが微笑む。

ひーちゃんは千里が好きだ。
そして千里もたぶん、ひーちゃんが好き。

だからこそ、ひーちゃんと千里の邪魔はしたくない。

「大丈夫!そうならないように頑張るから!」

グッと拳を作って気合いをいれる。

「……」

千里とひーちゃんが顔を見合わせる。

「わかった、頑張って」

そう言ってひーちゃんが更にわしゃわしゃと頭を撫で回した。

「あわわわ、ひーちゃん、頭、もげるー!」

「ひよこ、ほどほどになー」

千里は笑いながら見てるだけで助けてくれない。

あー、本当に頭が取れそうです。