シンアイ

それから約4時間後。午前中の授業が終わり今は昼休み。授業中や休み時間に向けられる好奇の目と噂話をなんとかやり過ごし、安息の時間を迎えた。
……と言うか誰か一人くらい真正面から聞きに来てもいいんじゃないの!?誰も聞きに来ないから否定できない!
そう言えば、御園蘇芳に直接聞きに行く人もいなかったな。

先生に頼まれて集めたノートを持って廊下を歩きながら午前中の御園兄弟&高城瑠璃を思い出していた。

あの三人はまさに別格って感じだから、誰も聞きに行かないのかな。先生ですら特別扱いしてるように見えるし。
まあ天下の御園家に楯突いて無事でいられるわけないだろうし、特別扱いもわかるけど。

「サヤ!」

後ろから呼ばれて振り向くと、幼馴染みの千里(センリ)がこっちに向かって歩いてきていた。

「千里」

立ち止まって千里が追い付くのを待つ。
梶千里(カジセンリ)、同い年で家も近いこともあって長い付き合いの幼馴染み。

「職員室まで?」

追い付いた千里は私の手元を見て、その半分をさっと持ってくれた。

「うん。ありがとう」

長い間一緒にいるから私が頼み事を断れないことも知ってて、よくこんな風に手伝ってくれる。同じクラスの時は断れない私の代わりに断ってくれることもあった。本当にお世話になりっぱなしの幼馴染み様でございます。

「やっぱ同じクラスだったら良かったのにな」

一緒に職員室に向かいながら、千里がポツリと呟いた。

「これくらい大丈夫だよ」