シンアイ

やっと御園蘇芳から解放されてほっとしていると、高城瑠璃に声をかけられた。
向き合うと、改めてその美人さに気圧される。やっぱり美人の迫力は桁が違う。

「ただの興味本位なら、蘇芳に近づかないで」

「えっ?」

「まだ死にたくないでしょう?」

高城瑠璃はそれだけ言い残して教室に入ってしまった。

……死って何!?
御園蘇芳に手を出したら殺すってこと!?
怖すぎるんだけど!
でも高城瑠璃なら出来そうでさらに怖い。

それにしても興味本意なら近付かないで、か。むしろ興味を持たれているのは私の方なんだけど……。

本当に厄介な人に目をつけられてしまった。

今後どうやって御園蘇芳をかわすか考えながら教室に入る。その瞬間教室中の視線が集まった気がした。

えっ?何?

その視線は一瞬で、またざわざわとした喧騒が戻ってきた。たまに私をチラッと見て何かを話している人もいる。

「…………」

まさかとは思うけど、さっきのことが噂になってる……?

好奇の目を気にしないようにしながら自分の席に座った。つい先日行われた席替えで私の席は廊下側の一番後ろ、つまり今入ってきた後ろの扉からすぐの席に替わった。今日ほどこの席で良かったと思ったことはない。
今はクラスメートだけで済んでるけど、これから学校中に広まったり……。想像しただけで恐ろしい。

本当に何てことをしてくれたんだ、御園蘇芳!