さくら 【短編】

快晴の青空に桜が舞っている。


「優希、あなたが好きな季節がまたやってきたよ」



目の前にある黒く光るお墓に、色の淡い花々を置く。



「魂の行方をいつも追っていた、優希」



一枚の桜の花びらが、私が置いた花の上に散った。



「その答え、みつけた?」

私は、なんて、言ったんだっけ?

あの時、あの瞬間、私はあなたになんて言ったんだっけ?