「お母さ―――――」
喋りかけようとしたときだった。
「誰?汚い子ね」
お母さんはゴミでも見るように、
そう言い放った。
「お母さ―――んっ!」
「あら真理、お利口ね、
手ぇ洗って来たの」
「うん、だって土で遊んだら
お手て綺麗にしなきゃ!」
「お利口!行きましょう」
お母さんは、
私と同い年ぐらいの子の頭を撫でた。
私にするみたいに、
優しく、温かく。
「家に帰ったら、
オムライス食べようか」
「うん、私オムライス大好き!!」
違う、違う・・・。
オムライスが好きなのは私だよ!
お母さん、私だよ!!
「真理――!」
「あ、お父さん!」
真理という子がお父さんと呼ぶ
その人は、新しいお父さんだった。


