重い溜息をひとつ吐いて、仁奈の家のドアを開けると、甘い香りが玄関までしてきた。 「ん、まぁ~」 リビングでは満面の笑みで食パンを頬張る仁奈。 なんか……ハムスターみたいなんだけど。 てか、起きてんじゃん。 せっかく来てやったのに。 食べてる余裕あんなら、俺来る必要なかったんじゃね? 呆れと、諦めと。 何だか手のかかる子供? 妹? を持った気持ちなんだけど。 「寂しい女〜」 俺が声をかけるとキーキー、今度は猿みたいに煩くて。 忙しい女だな。