【完】愛の血−超勝手な吸血鬼




「椎名、冬夜?」



そう、そこに居たのはガラの悪い男の子ではなくて椎名冬夜だったんだ。


驚きを隠せないあたしは、
目をパチパチさせながら



「何で居るの?」



そう質問していた。


だけど、その質問に答えることなく立ち上がった椎名冬夜はあたしの前を歩き出す。


全くわけのわからない、
あたしはその背中を見つめるだけ。


それに気付いたのか、
ふと立ち止まった椎名冬夜は振り返ると



「何ボーっとしてんだよ。早く歩けバカ」



と呟き、あたしの場所まで戻って来る。



なっ!

バカって何よ。


てか、何で居るのよ!?