吸血鬼……吸血鬼……
あ、あった。
――吸血鬼は、民話や伝説に登場する架空の存在で、人や動物の血を吸う怪物。
怪物!?
――1度死んだ人がなんらかの理由により不死者としてよみがえったものと考えられている。
よみがえり!?
椎名冬夜って……1回死んでるってこと?
あ、でも架空の存在って書いてあるじゃん。
『吸血鬼だけど?』
あれって……冗談、だよねぇ?(笑)
放課後、図書室に寄り吸血鬼の本を探して調べたりする、馬鹿なあたし自身に苦笑いしてしまった。
何、信じてるんだろ。
そーだよ、椎名冬夜が変な事を言い出すから、信じちゃっただけだ。
うん、そうに違いない。
今時、吸血鬼なんて本当にいるわけないし。
椎名冬夜が今まで出会った事のないタイプだったから気になっただけだよ。
うんうん。
顔を何度も上下に動かし、パタンッと本を閉じた。