休み時間になると、俺は見世物になっていた。
知らない女が集まってきて。
くだらない質問ばっかりしてきやがる。
どの女も、いつもと同じ、普通の人間。
俺がこの高校にわざわざ転入してきたのは、どこにでもいるような普通の人間の女と話す為なんかじゃない。
「ねぇ、いいじゃん。メアドくらい教えてよー」
「あー、俺メールとかしないんで」
「いいよ、気にしない。私からするし!」
朝から休み時間の度に教室へと来ていた3年の女が、放課後までしつこく付きまとってくる。
周りの友達も同じようなことばっかり言ってきて。
正直煩い。
香水臭い。
隙を見て、靴箱の方へと逃げ込んだ俺はホッとする間もなく。
目の前に居たのは、あの小さい女。
有賀仁奈だった。
うわ、またコイツかよ……。
俺が嫌な顔をすると、有賀仁奈もあからさまに嫌な顔をした。
一瞬違う場所へ行こうかと悩んだけど、後ろからさっきの女の声がしたから。
「俺が居るって、絶対言うなよ」
仕方なく、そう言って隠れた。

