【完】愛の血−超勝手な吸血鬼



学校が終わり、自分の家のマンション前に人が居る事に気付いたのは、かなり離れた場所からで。

んぁ?
同じ高校の奴か?

そう見ていると、その1人が仁奈だとわかった。


話しこんでる仁奈達は俺に気付くわけもなく。

俺も、その場所まで歩き続ける。


すると目に入った、見慣れない男。


そいつに話しかける仁奈は俺に見せない笑顔で。

楽しそうに笑ってて。


その事に無性に腹がたった。


なに笑ってんの、アイツ。

俺の事は避けるのに、なんで……。


そう思った時、ハッとした。



これって、もしかして……嫉妬ってやつ?



避けられることが気になって。

俺から逃げることが苛立って。

目を合わせて話さないことが腹だって。



男と話してることに嫉妬してる。



これって、俺が仁奈を好きだから?