【完】愛の血−超勝手な吸血鬼



「おいっ!」



だけど捕まるのは簡単。

そもそも椎名冬夜に勝てるわけなんてない。



「お前なに言って……って、何で泣いてんの?」



壁に体を押さえつけられた、あたしは下を向いて首を振るだけ。


だって、何かもういっぱいいっぱいなんだもん。


椎名冬夜の事を避けちゃったり。

考えると胸が痛くなったり。

触れられると体が熱くなったり。

そんな変化に泣きそうになったり。

噂の事で辛かったり。

繭ちゃんの告白で苦しくなったり。



もうムリ。



色んな事があり過ぎて限界だよ。

もうヤだ。