「おいっ!」 だけど捕まるのは簡単。 そもそも椎名冬夜に勝てるわけなんてない。 「お前なに言って……って、何で泣いてんの?」 壁に体を押さえつけられた、あたしは下を向いて首を振るだけ。 だって、何かもういっぱいいっぱいなんだもん。 椎名冬夜の事を避けちゃったり。 考えると胸が痛くなったり。 触れられると体が熱くなったり。 そんな変化に泣きそうになったり。 噂の事で辛かったり。 繭ちゃんの告白で苦しくなったり。 もうムリ。 色んな事があり過ぎて限界だよ。 もうヤだ。