「椎名君も少し前に転入して来たんだってね」
「あ、う、うん」
「何だか、それだけで親近感沸いちゃうな」
「あ、そ、そだよね。
同じ転入生だもんね」
「うんっ!
それに他の男の子達とは何か雰囲気が違うの」
「そ、う?」
なんて言いながらも
だって吸血鬼だもん。
って心の中で思った。
それなりの雰囲気を持ってたっておかしくない。
普通の人間じゃないんだから。
「ねぇ、仁奈ちゃん。
椎名君と仁奈ちゃんが仲が良いって聞いたんだけど……」
「えっ!?」
急に聞かれた事に焦ったあたしに、不安そうな表情を浮かべて。
「仲良いの?」
「そ、そんな事ないよ!」
そう。
仲なんて……良くない。
あたしと椎名冬夜は……
「あ、そなんだー!
よかったー」
繭ちゃんの嬉しそうな声が、あたしの頭の中で考えていた事を消す。
「そんな嬉しいんだ?」
聞かなければいいのに。
あたしのバカ。
そう思った時には、もう遅かった。
「誰にも言わないでね?」
ポッと頬を染めて言った繭ちゃんは恥ずかしがりながらも弾んだ声を出す。
「実は椎名君のこと好きになんだ」
頭の中が真っ白になるっていう言葉がピッタリだ。
目の前の繭ちゃんに何も言う言葉が浮かんでこない。
「仁奈ちゃん、応援してくれるかな?」
そう、あたしの目を真っ直ぐに見つめる繭ちゃん。

