「ごめんね、京香。
新見さんもありがとうございます」



あの後も男子の目は気になったけど、京香がそばに居てくれたお陰で何かされる事はなかった。

それに帰りも、彼氏の新見さんと一緒に家の前まで送ってもらって。



「いいってば、気にしないの!」

「そうだよ。
気にしないでね、仁奈ちゃん」



そんな事を言ってくれる2人に何だか申し訳なくて。

せっかくの2人の時間なのに。



「ほら、そんな顔しないの!
新見なんて、私と居れる時間長くて喜んでるんだから」

「はぁ?
それはお前だろ?」

「あ、そっ?
なら、この後まっすぐ家に帰ろっと」

「え? ちょっ」

「嘘だよ、嘘。
ちょっと黙っててよね」

「ぬ……」



ニヤリと笑った京香は新見さんよりも2つ下だとは思えないくらいに強い。