「ほら。言ってたお隣さんの仁奈ちゃん。
仲良くしなさいよ?」
言ってたお隣さん?
椎名冬夜のお母さんの言葉に、少し引っ掛かった。
どういう意味なんだろ……。
「はぁ!? コイツが!?」
首を傾げかけたあたしは、椎名冬夜の大声に驚き肩があがってしまった。
「コイツじゃないでしょ。仁奈ちゃん!」
「ちょっ、母さん。まじで言ってんの?」
「そうよ。何? 仁奈ちゃん可愛いし申し分ないでしょーが」
「コイツのどこが可愛いんだよっ。有り得ねぇっつーの!」
「可愛いじゃない、ねぇ?」
全く見えない言い合いをされてる上に、椎名冬夜のお母さんから同意を求められ苦笑いしか出来ない。
「母さん趣味悪ぃ……」
「はぁ? 冬夜、仁奈ちゃんの事、無理だからそんな事言ってるんじゃないの?」
「んな事ねーよ。こんな女簡単だろ」
「じゃあ、大丈夫よね」
「なぁっ!」
「男に二言はなしよね」
「チッ! ハメたな!?」
……おい。
ちょっと待て。
さっきから、意味不明な事ばっかり言ってるけどさ。
酷くない?
可愛くないだの。
あたしを可愛いっていう人は趣味が悪いだの。
簡単な女だの。
失礼過ぎませんかぁ?