「あ。ほら、あの子」 「え? どれ?」 「あれだよ、あれ」 「へー、あの子なんだ」 聞こえてきた男子の声に目を向けると、そこに居た2人と目が合った。 え? なに? ニヤニヤと笑って、あたしの方を見る2人。 後ろを振り返って見るも、そこにはあたししか居ない。 やっぱり……あたし? もう一度、その2人を見直すと、もうあたしの事なんて見てなくて。 ……気のせい、だ。 そう思って、そこを通り抜けた。