はぁ、っと小さな溜息を交えて 「消しゴム。 お前のだろ?」 そう言われて、何だか哀しい気持ちになって頷いた。 「はい」 っと、あたしの机の端に置かれた消しゴムを見つめながら、 「……ありがと」 って小さな小さな声で呟いた。 その声が椎名冬夜に届いたのかはわかんない。 けど、これが精一杯で。 何なの、この気持ち。 あたし絶対、変だよ。