「はじめまして。これから宜しくね、仁奈ちゃん」 「あ、はい」 「あ、そうだ。もう知ってるかしら?」 「はい?」 「今日、仁奈ちゃんと同じ高校に息子が転入したんだけど。冬夜ー?」 ……は? 綺麗な女の人が、少し高い声で自分の部屋に向かって呼んだ名前。 椎名……。 冬夜!? もしかして。 いや、もしかしなくても!? 「何だよ、うっせーなぁ」 そう部屋から出て来たのは……間違いなく、 今日転校してきた、 ついさっき、あたしの1番嫌いなタイプだと思った、 椎名冬夜、本人だったんだ。