【完】愛の血−超勝手な吸血鬼




「血、飲まなかったの?」



えっ?



「昨日、誰かの血飲まなかったの?」

「ああ。飲んだけど、すんげぇ持ちの悪いマズイ血だったみたいだな。
あれはハズレだわ」

「えぇ、血って味あるの?
A型だったら甘いとか、B型だったら酸っぱいとか?」

「ぶはっ。お前やっぱり変だわ」



俺が想像もしないことをサラッと言うコイツは凄いのかもしれない。

しかも完全にハズレってわけでもねーし。


言った後、しまった。って顔をしてる仁奈に付け足してやった。



「でも、あながち間違いってわけでもねぇけど」

「えええ、そうなの!?」



パァーっと一瞬にして明るくなる表情。


それを“可愛い”なんて思ったのは、俺が弱ってるからか?