【完】愛の血−超勝手な吸血鬼



思わず俺が笑うと、仁奈も笑ってくれると思ったのに。


仁奈は顔を真っ赤にして俯いてしまった。


なんて顔してんだよ。

もし今、俺がいつもの状態だったら完全に落としてんぞ。



「そ、それよりも大丈夫なの?」

「あー……、ん」

「昨日より体調悪そうなんだけど」

「んー……」

「保健室、……は無理か」

「……俺の事わかってきた?」

「……一応はね」



仁奈の声は何だか心地よくて。

耳に入ってくる声を聴いてるだけで、なんだか落ち着く。


変な感覚。