「今の俺に近づくな」 そう言って、自分から引き寄せた仁奈の体を押し返した。 まじかよ。 何してんの、俺。 今まで一度だって女の血を無理矢理飲んだことなんてない。 これはポリシーっつうか、なんていうか。 それなのに今、俺は仁奈の血を無理矢理でもいいから欲しいって思った。 仁奈が俺の“相手”だから? 本当に……それだけで? はぁ。 とりあえず、よっぽど血が不足してるってことはわかった。 今日は、何人の血を飲めば喉の奥の渇きが満たされるんだろう……。