「なんで避けんの?」 あたしに少し近付いた椎名冬夜は、低いハスキーな声で囁いた。 ドキドキと煩い心臓は、走ってまだ息切れしてるから……だよね? 「避けてないよ!」 「あー……お前」 間をもたせた言い方に、顔をあげると口角をクィッとあげた椎名冬夜はハッキリと。 しかも、なーんか嬉しそうな顔して。 「お前、俺のこと好きになったんだろ?」 って……。 はあああああああ!?