「……」 どれくらい経ったのかな? 1分?5分?10分? ううん、それとも1時間くらい? なんだか良くわからない。 何、この感じ。 気付けば、あたしは椎名冬夜に抱きしめられていて。 首筋には椎名冬夜の頭がある。 「だ、大丈夫?」 「……」 何も答えてくれないのは、あたしの血じゃ、やっぱり駄目だったってこと??? 「椎名冬夜?」 「……冬夜」 「へ?」 「何回言えばわかんの? つか何でフルネームなわけ?」 クククッと笑うのがわかって。 声も元気になってる。