夜道を長時間ひとりで歩くのは

できるだけ避けたかった。

とにかく早く帰りたくて、

近道の、人通りの少ない道を通った。

それが間違いだったんだ。


速足で歩いていたとき………

―――グイッ

急に後ろから腕を引っ張られた。

驚いた私は、振り返ろうとした。

だけど振り返る前に

後ろから口をふさがれた。

突然のことだったけど、

本能的に危険だって思って抵抗した。

だけどそんなの効かなくて、

あぁ、確実に男だ…そう悟った。