唯依のお兄さんは

俺が思いもしなかったことを口にした。

2年前の、唯依が襲われた話。

そのとき唯依を犯した奴の中の一人が

俺の兄貴だと言った…

それなら別れろっていわれても

仕方ないと思う。

だけど俺は、別れたくない。

そう考えていたら、

唯依はお兄さんの言葉に、キレた。

しまいには俺に、

『私と別れたいの?』

なんて聞いてきた。

"そんなことないだろ"

そういいかけて、口を噤んだ。

言えなかったんだ…