あの日、痛いって漏らした小さな声。 それから最近、 身体を引きずって歩いている。 絶対になにかある。 そう気付くタイミングは いくらでもあったはずなのに…… 唯依、無事でいてくれよ… そう思いながら、ひたすら走った。 空き教室のあるところまで走って、 俺は立ち止まった。 話し声が聞こえたんだ。 この声は、もしかして…… 唯依か…? どの教室にいるんだよ……? 声だけを頼りに、唯依を探す。