周りを漂う線香の煙

色とりどりの花

晴くんのお墓は霊園の一番高い丘にある

気持ちよく風がなびいた

「晴くん…会たい゙」

きっと今の私はかっこわるいだろう

「見つけた」
風と共に武中くんの声が聞こえた

「何で分かったの?」

「朔邪から聞いた」

「朔邪さんって本当に私の過去を知ってたんだね」

「過去?」
「秘密…」

「誰の墓?」
「秘密…」
「何で泣いてるの?」

「秘密…」

「秘密ばっかじゃん」
「だって秘密だもん」

「秘密主義者」
「いいよ秘密主義者で」
「何で?」

「もう誰にも言いたくない私の過去を」