正しい姿勢を心掛けるようにと言われ、簡単な体操の方法をプリントされた紙切れを受け取り、電気治療を勧められただけだった。
通称にしろ『骨折』と言われれば大袈裟に受け取ってしまう祥子に、医師は最後まで楽観的な様子だった。
ズレた骨盤と腰椎の境目が女性の美しい腰のラインを崩していたことには違いない。
コンプレックスにしかなり得ない骨の小さな山を、その晩はひたすら撫でながら眠りに落ちたことを思い出す。
鏡に映る自身の横向きの裸体を祥子はまじまじと確認する。
電車で、この異物のある腰に手をあててきた隼人のことを想ってみる。
骨張ったぐらいの痩せた女が好みだったのだろうか。
『貴女のここに触れたくて……』
と、確かに言った。
躯だけが目当てだったとするには、それほど魅力的な躰とも思えないし、あまりに長く一緒に居過ぎる。
