彼らとわたし。

そんな亮に向かって、私はある一点を狙うように足を振り上げる。

亮はそんな私に気づいていないのか、こめかみを拳でグリグリとしてくる。


「こんのっ…顔だけ男が!」

「…ッ!!!」


私は、彼の急所を思い切り蹴った。

さっきまで余裕だった表情は一瞬で崩れ、その場に座り込む亮。

自由になった私は、まるで靴についたゴミを取るようにコンクリートに靴をこすりつける。

そしてチラリとうずくまっている亮を横目で見て、ざまぁみろ、と心の中で呟いてその場を後にした。