彼らとわたし。

「制覇亮っていう顔だけ男の…」

「あ…」

「え?」

顔を真っ青にしたクラスメートが、震える指で後ろを指差す。

何だよ、と思って後ろを見ようと振り返ったら

「おい」

と、突然腕をがっしりと掴まれた。

ごくっと唾を飲み込んで、そっと上をみあげると口角をあげ不気味に私に笑いかける悪魔がいた。

そんな彼を見た瞬間、逃げなきゃ殺られる!と頭で警報がカンカンとなっている。


「この人痴漢です!」って叫んで逃げようかと思ったけど、この悪魔の手でふさがれている。


「ふがふが(離せよこのバカ)」

「何いってるかわかんねぇよ」


バカにしたように私を見る。