「ふぁぁ…眠いよう…」

いつもと変わらない朝。
私は、襲ってくる眠気をぐっと我慢した。

思わずあくびがでそうになり、口元に手を当てキョロキョロと周りを見る。

やっぱり予想通りだった。



“カップル”


その名の通り、だ。

会社にいくサラリーマンや学生に混じって、手を繋いでいる高校生や小学生のカップル。

さらに、いってきますのちゅーを道端で堂々とする夫婦。


私は恨めしいと思う反面、そんなことができる人たちを羨ましく思い、目から毀れそうな涙をぐっと堪え歩き出した。