【陸斗サイド】
「愛羅!どこに行った!早く氷室から逃げよう…いるんだろ…なぁ…」
 いったいなん時間差がしたんだろう…
 どんなに探しても、愛羅は見つからない…
 だんだんと弱気になってきたとき、声が聞こえた。
「陸斗、陸斗!あたしだよ?愛羅だよ!」
 愛羅だ。
 でも、恰好が変。
 だって、裾がびりびりのウエディングドレスを着てるし、ばっちり化粧してるし…
 でも、どんなことどうでもよかった。
 愛羅に逢えた、愛羅を見つけた。
 それだけで、どっかに飛んでしまいそうだった。
「ごめんね?事情は、後で話すから…今は逃げるしかないの…陸斗の家に行ってもいい?」
 よく意味が分からなかったが、とりあえず俺の家に行くことにした。
「愛羅、寒くねーの?」
「大丈夫だよ。なんで?」
「いや、何でもねーけどこれ着とけ」
「?ありがと…」

 俺の部屋に着くと、愛羅は今まで起きたことを全部話してくれた。
 それを聞いて、今から急いでどこかに逃げることにした。
「愛羅、ホントに良いのか?親にも会えなくなるかもしれないんだぞ…」
「いいの、あたしには、陸斗がいるから…」
 そんなこと言われたら、ちゃんと守らないと。
 俺が守らなくてどうするんだよ…

 俺たちが住んでる町から、電車で2,3キロのところまでいき、ホテルに泊まった。
 これから、どうなるかなんて、きっと俺らにも分らない…
 でも、愛羅がいれば俺もいいよ…
 これからも、一緒に生きてこ!
 大好きだ。
 氷室なんかにお前を取られてたまるか…
 
 隣で、静かに眠る愛羅にそう誓った…