「う…ぅン…」
　目を覚ましたのは、よく分からない場所のベットの上だった。
「ここどこ？」
　疑問に思っていると、ベットの向こうのドアが開いた。
　入ってきたのは、メイド服を着た女の人だった。
「おはようございます、愛羅様」　
　メイドさん？はこういうと、私の制服をたたみだした…
　制服？
　あたし今何着てるんだ？
　布団をめくると、見たことのない高そうなシルクのパジャマを着せられていた。
「あの…この服は？」
「亮様が、フィアンセの愛羅様のために取り寄せた最高級シルクを使ったパジャマでございます」
　はっ？
　最高級シルク？
　何それ？
　庶民のあたしがそんなもの着て良いの？

「今、亮様をお呼びしますね」
　メイドさんが出て行ったあと、あたしは窓から外の景色を見た。
　でも、明らかに景色がおかしい…
　あたしは、来たことない場所に連れてこられたようだ…
「愛羅ちゃん！おはよう」
　ノックもせずに入ってきた氷室先輩を見て、あたしは警戒の色を出した。
「あたしをこんなことに連れてきて、どうするつもりですか？」
「どうするって、婚約するためだよ」
　サラリと言ったけど、この人本気なの？
「じゃあ、愛羅ちゃん準備して！あと、1時間半で婚約式だから…」
　氷室先輩は、そういうと部屋から出て行った。