足音のした方を見ると、そこには愛羅がいた。
 愛羅は、中の事がわからなくて、そのまま入ろうとした。
 すると、中の事に気が付いたのか、足を止めた。
「あたしは、高橋が大嫌い!だから、あいつの好きな碓氷を奪うの!だって、見ていればわかることだしね!」
 松尾が、そんな事を、言った。
 愛羅を見ると、怒りなのか、驚きなのか拳を握って、泣いていた。
 



 俺は、どうすることも、出来なかった。
   


 
 愛羅が、泣いているのに…