「えー、りっくんって、やっぱ選抜入りしてたんだねー!すごーい!」
 私は、かなり不機嫌である。
 なぜなら、隣からとってつもなく甘ったるーい声が、ずっとするからだ。
 
「あ、あたしここで抜けるんだった!じゃ、帰るね。みんな、ばいばーい!」
 
 肩の力が、ようやく抜けた。
「はー、疲れた。」
 優姫ちゃんを、思ってたんだ。
「確かに。」
 翔輝くんも。
「これから、ずっとそんな感じかな?」
 理華ちゃん、同じこと思ってる。
「なんで、俺にかまってくるのかな?」
 え、陸斗?
 

 陸斗って、松尾莉実と、付き合ってないの?
  

「あ、うちら抜けるんだった。」
 優姫ちゃん、翔輝くん、いつもと違うくない?
「あたしも、今日帰らなきゃいけない!」
 理華ちゃんも?

 なななんで?
「まぁ、用事あるんだし、しょうがないか!」
 陸斗?
「愛羅、帰るぞ!」
 陸斗が、私の腕を引っ張っていく。
 陸斗、いつの間にか、大きくなってたんだ。
 手なんか、私より小さかったのに…

「陸斗、着いたから、腕放して?」
 私たちの家の前に、着いたのに陸斗は手を、放してくれない。
  
 陸斗は、怖い顔をしていた。
「そうだな!」
 そう言うと、陸斗は手の力を、強めて私を引っ張った。
 
 え?
 陸斗は、いつもの陸斗では、なかった…