学校に着くと、松尾達3人が俺たちのところに走ってくる。
「みんな、おはよう!」
「莉実ちゃん、美姫ちゃん、舞ちゃん、おはよう!」
 愛羅、お前って律儀だな。3人の名前言うとか。
 翔輝達も、律儀に挨拶してるし。
「陸斗君、おはよう!」
 松尾が、挨拶してきた。こいつ、苦手なんだよ。いつも、笑ってるし、本性が見えないのもイラつく。愛羅と、全然違うし。
「おう。」
 だから、俺はいつもこの挨拶の仕方しかしないのに、松尾は嬉しそうな顔をしてるし、愛羅は、顔を曇らせる。だから、いやなんだ。こいつは…



「陸斗、なんで急に愛羅ちゃんと、松尾莉実ちゃんが、仲良くなったか知ってる?」
 翔輝が、いきなりこんな事を、聞いてきた。
「?どういう事なんだ?」
「実は、優姫に聞いたんだけど…。愛羅ちゃんさ、入学式の次の日さ、桜井さん達に絡まれてたんだって。で、それを助けたのが、松尾莉実ちゃんなんだって。」
 なんだ?その話?聞いてないぞ!そんなことが、あっただなんて。
「で、優姫なんか言ってたか?」
「あぁ、この話を、愛羅ちゃんにするなって。なんか、松尾莉実ちゃんとの関係とかあるんだとか、ないんだか。」



 翔輝に、聞いた話が頭から離れない。どうして、俺にその事を教えてくれなかったんだろう。しかも、愛羅に話すなって。
「陸斗、帰るよ。陸斗!」
「あっ、愛羅か。びっくりした!驚いた…」
 愛羅は、あの事をどう思っているんだろう?
「3人が、待ってるから早く早く!」
 愛羅は、うらやましいな…あの事を、気にしていないように見せれるしな…