静かな二時間目の教室。HRの時間。
視線を横に向けると、梶くんと交差して、すぐに私からそらした。
頬がほんのり朱色に染まるのが、自分でもわかる。
明日から短くて、長い冬休みだ──…
「ちーちゃん、私最近思うんだけど沙耶佳って、私達のこと避けてない??」
集会に行く途中、心ちゃんが私の隣で思い出したようにさらっ、と沙耶佳ちゃんの名前を口にする。
沙耶佳ちゃん…。あの日から、あまり一緒にいない。
休み時間も、お弁当の時も他のクラスに行ってるみたいだし。
クラスの女の子達が、一緒にいないのを不思議に感じて、私や心ちゃんに沙耶佳ちゃんとのことを聞いてくるけど、いつも笑って誤魔化した。
そうやって作り物の笑顔を作って、また一つウソを覚えるんだ。
それにね、心ちゃんは""私達"って言ったけど…沙耶佳ちゃんは、私だけを避けてる気がする。
たまに沙耶佳ちゃんと三人で、ほんの少しだけ話すけど、私と話す時は視線を外したり、言葉の裏に何かが隠れてるようで、笑ってる顔も作り笑いにしか見えない。
沙耶佳ちゃんに本当のことを聞きたいけど、聞いたら今まで作ってきた友達が、一気に崩れそうだから、動くことに躊躇ってる。
