はじめての感情。震える足元。


知らない、知らない不安が一気に体を流れる。涙が出そうなほど、怖い。


すっかり黙った私は、沙耶佳ちゃんと梶くんを見れなくて、ずっと視線を外した。


沙耶佳ちゃんは、ななせ先輩に会釈をしたけど、ななせ先輩は無視をして。


不機嫌そうに、眉をつり上げるだけ。一瞬、視界に映った沙耶佳ちゃんは唇を噛んでた。


私はマフラーを握って、何度も何度も同じ言葉を繰り返す。



どうして一緒にいるんだろう。学校では、二人が話してるの見たことないよ。

もしかして…私の知らない所で仲良くしてたのかなー…。

私ね、このあとみゃーにご飯あげに行くけど、梶くんは来るの?



不安は、一つ増えるとまた増えてく。それと同時に、目頭は熱くなって体は重たい。



来る、よね。だって、昨日言ったもん。

"世話していい?"って。来ないはずないよ。



そのあと、沙耶佳ちゃんと梶くんは、気まずそうに私とななせ先輩から離れてく。


淡い期待をいつまでも、透明な心に乗せて私は公園で梶くんを、ずっと待ってた。


だけど、梶くんは来なかった。