わたしのヒーロー



「ただいまー。お母さん、まだ行かないよね?」


「まだ行かないけど…どうしたの?」


「あぁ、ちょっと柚希に用があってさ…」


「もう飾り付けとかも終わってるんだし少しなら時間大丈夫よ?」


「…うん、じゃあ行ってくるね!」


わたしは思い切って柚希に聞いてみることにした。



'ピンポーン'


「はぁーい。」

'ガチャ'


「あら!?こんにちは玲海ちゃん!どうしたの?」


「あの…柚希に用があって…。」


「わかったわ。今呼んでくるからちょっと待っててね♪」

柚希のお母さんはそう言って、柚希を呼びに行ってくれたけどなかなか帰ってこない。


5分くらい経ってやっと帰ってきたお母さんはなぜか少し機嫌が悪く、そこには柚希がいなかった。


「ごめんなさいね、玲海ちゃん…。あの子なんだか今は会いたくないって言ってるのよ。もしかして、喧嘩でもした?!」


「いえ!!してません!…ただ、急に無視というか…避けてるというか…。」


「急に?まぁ…どうしちゃったのかしら。玲海ちゃんにこんな態度とるなんて珍しいわ。とにかく、怒っておくから!ごめん玲海ちゃん…。」


「いいえ、大丈夫です。わたしが何かしちゃったのかもしれないし…。だから怒らないであげてください。あ、それと、お母さんがピンチのときいろいろ助けてくれてありがとうございます。話し相手になってくれてありがとうございます。」

「いいのよ、そんなことくらい!清恵さんすごくいい人だしもうすっかり仲良いのよ♪友達がピンチの時に助けるのは当たり前だわ!」


「ほんとに…ありがとう…ございます……」


「ありゃ!泣かないで!辛かったのね…大丈夫?うち上がってく?」


「大丈夫です。ちょっと気分転換にその辺歩いて帰ります。」


「そう?じゃあ、気をつけてね…。」


「はい。ありがとうございます。」


まだあのときの悲しさや辛さは消えない。お母さんのために何もできない無力さも消えない。けど、お母さんが柚希のお母さんと仲良くなってよかった。あの人はお母さんの心の支えなんだな。


よかった。