わたしのヒーロー



「お父さんね、昨日お母さんにその話をしたあとずっとあっちの子供の話ばっかりしてた。嬉しそうに。子供の名前は、愛満(めぐみ)ちゃんっていうんだって。愛に満ちた子に育ってほしいって。オムツ取り替えるときの話とか、髪の毛が増えてきたこととか。それを聞いてたらお母さんおかしくなっちゃったの。だから今寝込んでる。しかもそのあとお父さん出て行っちゃった…。」



正直、今ここまで話してるけど柚希がどこまでついてきているかわからない。
もしかしたら全然理解できてないかも。
それでもわたしは一回出た言葉を止めることができなくてマシンガンのようにしゃべってしまった…。




「玲海…」



「なに?…」



「ごめんね。気づいてあげられなくて。渚ちゃんのときのことも全然知らなかった。気づかなかった。」



柚希は意外な反応だった。
わたしは、パンクしてしまうのではと思っていたけど逆になぜか反省している。



「どうして柚希が謝るの?」



「これって俺のママにも話しても大丈夫?最近玲海のちゃんママに会わないのって心配してたから…。」



お母さんはたぶん感ずいてたんだと思う。
日に日に元気がなくなっていたし。




「うーん…」




正直どうしたらいいかわからなかった。

たぶんお母さんは、誰にも触れてほしくないだろし話してほしくもなかったと思う。
わたしが勝手に話しちゃったわけだし…


「俺のママ、きっと何も言わずそばにいてくれるよ!だってすごく心配してたもん!」